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これは、ある不動産会社が東京都内で企画した「沖縄移住者の体験談を聞くセミナー」で話をされた方の例である。

要は、こういう先輩の話を聞いて沖縄を身近に感じてもらい、沖縄県内の自社物件を買ってもらおうという不動産会社の魂胆で開かれたものだが、その方はとくに忖度なく、いい面悪い面、両面から率直に話をしてくれた。

ただご本人は今も都内の病院に勤務中なので、沖縄の家はセカンドハウス、今では奥様が先に拠点を移されたそうだが、ご本人はまだ行ったり来たりの生活だそうだ。

その方が最初に沖縄に家を買ったのは、約10年前。海の見える中古の戸建てだった。

いわゆる外人住宅で、外人住宅とは、米軍基地関係の軍人さんやその家族のために建てられたものだ。シンプルでモダンな印象の建物である。

ところが最初はよかったものの、沖縄の半端でない湿度の高さと台風やスコールのおかげで、しょっちゅう床下浸水があり、何年かいろいろ対策をして頑張ったそうだが、結果、マンションに引越したそうだ。

マンションでは浸水に見舞われることはないが、エアコンの除湿機能を、梅雨から台風シーズンが終わるまで、24時間毎日フル稼働だそう。

この湿度の異常なほどの高さについては、移住者が口をそろえておっしゃることである。

もちろん私自身もその点では大変な思いをしているので、改めて書きたいと思っている。

話をその移住者さんに戻そう。

その他印象に残ったことは、参加者の質問に答えて「沖縄県の医療は少し遅れている感じがある」とおっしゃったことである。

あくまで専門家の目線だし、その方の専門分野にもよると思うが、こういったお話が聞けたのも、よい機会だった。

ちなみに沖縄の病院数は、2018年の統計によると、10万人あたり6.4(データ元:医療施設調査 平成30年医療施設(動態)調査 都道府県編) 。

これは京都や兵庫と同じくらいだ。東京は4.7で、全国でもっとも少ない神奈川は3.7なので、病院数に関しては、沖縄は決して少なくないことも付記しておく。

私は幸いまだ沖縄で病院にかかったことはないので、もし機会があれば感想を書きたいと思っている。

しかしながら最後は、「沖縄はいいですよ」「自分も早く完全に移住したい」「ぜひ皆さんも前向きに検討しては」という言葉で締めくくられた。

ベランダで沖縄の海を見ながらのんびりできる時間は、何にも代えがたい贅沢な時間だと。

まったく同感なのである。