
離島にダイビングに行く際、小さなペンションに泊まることがあるが、そのオーナーさんが移住者だったということがよくある。
ご夫婦なことが多いが、そのうちじっくりお話を伺えた1組の50代のご夫婦のケースをご紹介したい。
以前からペンション経営を目的に土地を探していたそうで、海沿いの静かな場所に手ごろな土地を見つけて、2階建ての戸建てを建築。
1階と2階はまったく同じ間取りで、1階はお客様宿泊用に、2階は自室という設計である。
驚いたのは、その設計図は自分で描いて、それを実現してくれる工務店を自ら探し、相見積もりをとって決めたそうだ。
建築当時はまだ県外に住んでいたので、やり取りは主に電話とFAXとメール。
随時写真を送ってもらい、指示していったそうである。
そして無事完成し、移住。
多少、「あぁすればよかったこうすればよかった」ということはあっても、ほぼ理想通りの家が完成したという。
限定1組だけという部屋のキッチンには、お鍋、お皿に調味料まで完備。長期滞在仕様になっている。
海まで徒歩数分と近く、海水浴後は玄関を通らずにそのまま浴室に直行可能。
そして庭にはコンロがあってバーベキューもでき、ハンモックまでついていて、いくらでも気持ちよく寝ていられる。
隅々までオーナーの配慮が行き届いた、とても居心地のよいお部屋で、リピーターさんが多いそうだ。
基本的には外注せずに、すべてご夫婦だけで管理運営されているそうだが、部屋を提供するだけで、食事はすべて宿泊客に委ねている点も、いい考えだと思う。
(周辺には沖縄居酒屋やお食事処ももちろんある)
ただやはりいいことばかりではないそうである。
なかにはあまり歓迎できないタイプの宿泊客もいたり、庭の雑草は抜いても抜いても驚きのスピードで生えてくる。
あとはサビ。外においておくと、信じられないくらいすぐサビついて、手入れが大変だそうだ。
とはいえ、移住から数年、沖縄ののんびりライフを夫婦ともども満喫しておられた。
もちろん夫婦仲がよいことが絶対条件である。