先輩移住者体験談~40代ダイビングショップオーナー

彼と知り合ったのはかれこれ7年前。県内のダイビングショップは離島含め10店以上お世話になっているが、もっとも多くの年月と回数お世話になっている理由は、ダイビングポイントの好みももちろんあるが、やはり彼の人柄を抜きには語れない。

年下ながら、包容力というか安心感というか、記憶力というか、多いと言っても年に数回しか行かない我々のことを、とてもよく覚えて毎度暖かく出迎えてくれる彼の存在は貴重だ。

その彼もまた関西からの移住者である。20代の頃にダイビングショップのアルバイトという形で移住し、その後独立した経緯をもつ。つまり移住者としては大ベテランなのだ。

移住してもっとも驚いたのは、やはり湿度らしい。彼は海の近くに住んでいるわけではないのに、室内の湿度計が100%になっていたこともあったという。木製のたんすの奥にカビが生えたこともあったとか。あらゆる扉は開けっ放しにしているらしい。

あと気になったのは、娯楽の少なさ。日常生活自体に不便は感じなくても、映画とかちょっとした衣類の買物とかは、那覇市内まで足を運ばなければならない。それが遠い・・とぼやいていた。

さらに言えば、医療機関もちょっと不安だと言っていた。

どこの地方でも言えることだと思うが、最初は希望をもって移住しても、ある程度生活に慣れてくると、いやな部分も当然見えてくる。そこまで見据えておくに越したことはないと彼の話を聞いて感じた。

ちなみに沖縄といってもダイビングショップの浮き沈みは当然ある。彼はその人柄や経営手腕をもって成功しているが、年老いても続けていけるものなのか、老婆心ながら気になるのも事実である。